パックご飯は使い捨てカイロでは暖まらない【非常時対策】

2021年9月5日

こんにちは。
最近、非常時の対策についていろいろ考えるようになったたか爺です。
地震災害時の対策としては、家具の転倒防止対策、非常持ち出し袋、避難経路の確認、食料・飲料対策、安否確認方法などたくさんあります。
今日はその食料対策の一部(パックご飯を使い捨てカイロで暖める方法)について検証してみました。

先日、ツイッターで「警視庁災害対策課」や「元自衛官」などが教える「パックご飯を温める方法」が紹介されていたという記事を見つけました。
非常時の、電気もガスも使えない中で温かいご飯を食べたいと思う人が多いのではないかと大変興味を持ちました。
そして、そんな簡単な方法が使えれば良いのではないかと思い、実際に試してみました。

私の結論から先に言うと、工夫しながら4回も試してみたのですが上手く行かず、やはり「使い捨てカイロでパックご飯を暖める」ことはよほどの裏技を使わない限り、簡単には出来ないという結論に至りました。
ツイッターに投稿された方法は、何か特殊な条件があったのかもしれません。

私が行なった検証実験のやり方は、後述する「実験の詳細」をお読みください。

もし、パックご飯を非常食として備蓄している方がありましたら、「使い捨てカイロ」以外の加熱手段(ヒートパックやカセットコンロなど)を一緒に準備しておいた方が良いと思います。
尚、使い捨てカイロ以外の暖め方については、この記事の「最後に」のところに別サイトの記事を紹介しましたのでご参考までに。

使い捨てカイロが暖かくなる仕組みなども調べてみました。

使い捨てカイロの仕組みなど

使い捨てカイロがどうやって暖かくなるのか、ご存知の方も多いかと思いますがまとめてみました。

使い捨てカイロには「貼るカイロ」や「貼らないカイロ」などがありますが、内容成分はどれも同じで、鉄粉、水、活性炭、バーミキュライト、吸水性樹脂、塩類などが入っています。
これらが不織布に入っており、外袋であるビニールの袋で中身が空気に触れないように密封されています。

外装を破ることで中の鉄粉が空気に触れて酸化し、この時に熱が発生します。
この熱を利用したものが使い捨てカイロであり、水は錆びを早めるため、塩類は酸化を早めるため、バーミキュライトは保水性のために含まれています。
これらによって反応速度を調整し、ある一定の温度で長時間持続させているようです。

今回最初に使った一般的なカイロには「最高温度63℃、平均温度53℃で、40℃以上の持続時間は12時間」と記載されていました。

また、桐灰の「めっちゃ熱いカイロ・ミニ」は、「最高温度73℃、平均温度59℃、持続時間8時間」と表示されていて、一般的な使い捨てカイロよりも6~10℃ほど温度が高くなるようです。

中身の鉄粉の量で総発熱量が決まり、低温で長時間持たせるのか、少し高温でその分短時間なのか、の違いだと思います。

パックご飯について

非常時の為の保存食の一つとして、パックご飯を備蓄されている方もあると思います。
我が家では常に10個くらいは在庫しており、通常の物は賞味期限が長くてもせいぜい1年くらいなので、期限間近になったら新しいものを買い足しながら期限が迫ったものを消費するという方法で、常に入れ替えながら備蓄しています。
食品スーパーで売っている普通のものなら1個当たり100円前後で手に入ります。
非常食用のご飯であれば5~7年くらいの保存期間がありますが、価格は1食で300~400円もします。
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また、非常食の中にはヒートパックなどの加熱手段もセットにして販売しているものもあります。

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実験の詳細

今回の検証実験では、先ずは一般的な「使い捨てカイロ」で試してみて、うまく暖めることが出来なかった場合には「めっちゃ熱いカイロ・ミニ」を使って実験することにした。

 検証実験に使った材料など

❶先ずは、普通の使い捨てカイロの外装を開けて中身を軽く振ったが中々暖かくならないので、一生懸命に数分間振り続けると30℃くらいになったのでこれをパックご飯の上下に挟んで、タオルで巻き、さらにアルミシートで包みました。(下図)

30分ごとに、そーっと棒状の温度計を中に突っ込んで測ってみました。
30分後34℃、1時間後37℃、2時間後38℃、3時間後37℃、4時間後34℃という、あまり温度が上がらない結果でした。
当然ですが、パックご飯は人肌程度の温度で、ご飯は固いままでした。

❷今度は、「めっちゃ熱いカイロ」と称する「マグマ ミニ」を使って実験しました。

これも少し振ったぐらいではあまり暖かくならなかった(28℃)ので、数分間一生懸命に振ったら38℃まで暖かくなり、同様に、これをパックご飯の上下に並べて挟み、タオルで巻き、

さらにその上からアルミシートで包んだ。


30分後に温度を測ったら32.5℃に下がっていた。

❸またまた、このカイロを取り出して再度一生懸命に数分間振ったら52℃まで熱くなった。
またパックご飯の上下を、熱くなった使い捨てカイロで挟み、その上からタオルを巻き、さらにアルミシートで包んだ。
30分後に温度を測ってみたら、また33℃まで下がっていた。

❹もう一度、このカイロを取り出して、また一生懸命に数分間振ったら55℃まで熱くなった。
再度、この使い捨てカイロでパックご飯を挟んでタオルとアルミシートで包んだ。
そして30分後に双方の接触部分に温度計を突っ込んだら36℃に下がっていた。

➎このカイロはどうなっているのかと思いながら、次の写真のように2個の使い捨てカイロの間に温度計を挟んでしばらく放置した。
すると最高温度は68℃まで上がってから徐々に温度が下がって行った。

この使い捨てカイロ(マグマミニ)は一体どうなっているのか、気まぐれなのか?
使い捨てカイロってこんなに温度的に不安定なのでしょうか?
タオルで包んだり、アルミシートを巻いたりするのがダメなのか?
それとも私の使い方、測り方が悪いのか?

実際にパックご飯は部分的に少し暖まったぐらいで、ほとんど固くて食べられない感じです。
ひょっとしたらやり方によっては暖まることもあるのかもしれないが、これではいざという時に期待することは出来ないでしょう。

パックご飯は暖めずにそのまま食べられるか?
決して毒になることは無いと思いますが、胃腸の弱い方は腹痛などを起こす可能性があり、また、パサパサしていて美味しくないのでパックご飯をそのまま食べるのはおすすめではありません。

最後に

10年ほど前から「南海トラフ巨大地震」※1 や「首都直下地震」※2 などの大きな地震の発生する確率が非常に高いと言われており、私の住んでいるすぐ近くにも活断層があり、発生する確率は低くてもやはりいつ地震が起きるか分からない状況です。
災害の規模や発生確率は違っても発生する可能性があるならば非常時の対策をしておくべきであり、もし対策をしていたのに自分の人生が終わるまでに災害に遭わなかったとしたら、それは非常に運が良かったのだと考えれば良いことかと思います。
「備えあれば憂(患)いなし」ですよね。

非常時の、使い捨てカイロ以外による「パックご飯」の暖め方は以下のサイトをご参考に。

パックご飯を暖める別の方法として、
カセットコンロなどでお湯を沸かして湯煎する方法があります。

https://news.livedoor.com/article/detail/17280808/

他にもフライパンなどに移してカセットコンロなどの直火で暖める方法なども。
https://www.tablemark.co.jp/rice/packgohan/moshimo/index.html

ヒートパックによる暖め方もあります。
https://entabe.jp/24697/morians-heat-pack

※1 南海トラフ巨大地震:マグニチュード8から9の巨大地震が今後30年以内に「70%から80%」の確率で発生すると予測され、被害は、四国や近畿、東海などの広域に及び、東日本大震災を大きく上回ると想定してる。

※2 首都直下地震:内閣府によれば、首都直下地震のマグニチュードは7から8で、その発生確率は今後30年間に約70%の確率で発生すると予測されている。

非常時の対策というものは、普段は全く必要ないものの、いざという時に非常に役に立つものです。
非常時に困らないように普段から準備しておくべきですが、その対策がいざという時に使えるかどうかの確認もしておくことをお勧めします。

最後までお読みいただき有難うございました。