車を利用した4日以上の停電対策、インバータの選び方

2022年3月19日

こんにちは、車が大好きなペーパー電気工事士”たか爺”です。

最近は1年間に何度か「大規模停電」という言葉を耳にしますよね。
地震や台風・洪水などの災害時に多いかと思います。
今日は、数日程度の停電が起きても持ち応えられる停電対策をご紹介したいと思います。

それは、車のバッテリーにインバーターをつないで家電に100Vの電気を供給する方法です。
バッテリーの電気残量が少なくなれば自動的にエンジンがかかって充電しながら電気を供給し続け、ガソリンが満タンなら1,500Wを最長で4日間くらい(プリウスの場合)は電気の供給を続けられます。

プリウスでなくても車にインバータを繋げば可能で、節電すればもっと長期間使えるでしょう。

最近はアウトドアでの利用目的や、災害時の停電対策などで家庭用の100V電源を取り出せる乗用車が増えてきています。
電気自動車やハイブリッド車などでは1,500Wの、普通エンジン車では100W程度のAC100Vコンセントが、標準で設定されているものがあります。

100V電源コンセントを備えていない車であっても、DC/ACインバータを1つ持っていると、いざという時に100V電源として使うことが可能です。
家電はAC100Vで稼働しますが、車の電源はDC12VなのでこれをAC100Vに変換する装置が必要であり、これがDC/ACインバータ(単にインバータともいう)というものです。
災害時の長期停電やアウトドアなどで家電製品を動かしたい時などに重宝するインバータ。

実は私も、災害時の停電対策用として1,200Wのインバータを1つ購入しており、いつでも必要な時には電源線を繋げば使えるように備えています。(下の写真はプリウスにインバータを接続中)



以下に、ハイブリッド車又は一般的な乗用車からAC100Vを取り出して家電製品を稼働させることが出来るインバータの選定方法と配線の仕方について纏めてみました。

私はこのインバータを購入した時に、これを実際に車につないで家電を動かし、問題無く稼働することも確認しています。
車のバッテリーにインバータを接続して100Vに変換・電化製品を使ってみた

インバーターの選定方法

インバーターと言っても、出力波形の違いや出力の大きさ、どのメーカーの物を選べば良いのか、初めての方には難しいかと思います。
そこで、インバーターの選定方法について簡単に解説します。

❶出力波形の選択:正弦波か矩形波

DC/ACインバーターには、交流電源を正弦波(せいげんは)の波形で出力するものと、矩形波(くけいは)の波形で出力するものがあります。

家庭用の100V電源の波形はなめらかな正弦波であり、家電の多くは正弦波で動くように作られています。
したがって、正弦波出力のインバータであればどの家電でも問題無く動きますが、かなり高価になります。
一方、矩形波のインバータは、ACアダプターを使用したノートパソコンやスマホの充電など、一部の家電では使用できるものがありますし、矩形波で出力するインバーターの方が仕組みが簡単なので安価である。

したがって、インバーターを購入する時には、稼働させたい家電の種類によって、正弦波または矩形波どちらのインバータを選ぶべきかを確認する必要があります。
また、インバーターの商品説明を見ると、「擬似正弦波」や「修正正弦波」というものもありますが、これは矩形波から正弦波に近い波形を作り出すというもので、これらを使用すれば正弦波に対応した家電を問題なく使用できるとは限りません。
いろんな家電を動かしたいのであれば正弦波のインバータを選ぶのが無難だと思います。

どれを選べば良いかについて、国産メーカーCellstarの製品説明に「正弦波インバーターだけが使用できる機器」に書いてありますのでそちらを参考にされると良いでしょう。

❷インバータの大きさ(出力)選定

インバーターの定格出力の大きさは、使いたい家電の消費電力よりも少し大きいものを選定すればよい訳ですが、必要以上に大きいインバーターを選定しても車の発電能力以上のものは発電が追い付かず意味が無いし、大きいものはかなり高価です。
(車の発電能力の話は次の❸で触れることに。)

家電の消費電力はそれぞれの仕様書を見れば良いのだが、最大消費電力や定格消費電力などと記されております。
電化製品には消費電力が常に一定のものもあれば消費電力が変動するものもある。
たとえば、冷蔵庫は起動時には定格消費電力の10倍もの電力が必要であるとか、ファンヒーターでは点火時に大きな電力が必要であったり、炊飯器は保温時よりも炊飯時に多くの電力を消費するなどです。
消費電力が変動するものは最大消費電力を、変動しないものは定格消費電力の数値を基準に考えればよい訳です。
また、家電を複数台同時に使用したい場合はその合計のW数を考えればよいのですが、そのためには、家電の最大消費電力または定格消費電力を知る必要がある。
以下に代表的な家電製品の凡その消費電力を列挙しましたが、検討する際には実際に使う電化製品(現物)の最大消費電力または定格消費電力をご確認ください。

ノートパソコンの充電  80~100W
液晶テレビ(20型~30型) 40~100W
電気毛布        50~80W
炊飯器         100~300W
石油ファンヒーター   30~600W
ハロゲンヒーター    300~1000W
掃除機         800~1000W
扇風機         20~40W
LED照明器具(蛍光灯40W相当)15~25W
ドライヤー       600~1200W
コーヒーメーカー    600~1500W
電気ケトル(ティファールなど)900~1300W
電子レンジ       900~1300W
ホットプレート     1000~1300W

実際に使う家電の最大消費電力または定格消費電力よりも少し大きめの定格出力のインバーターを選べば良いということになります。
言わなくても分かると思いますが、出力(W数)の小さなインバータで大きなW数の家電は動かせません。
あれも動かせたら便利だからと言わずに、最低限必要なものに絞るべきです。

❸車の発電能力によるインバータ出力値の選び方

乗用車(エンジン車)にはエンジンの回転を利用して電気を発電するオルタネーターという装置が付いています。
オルタネーターが発電する量は、エンジンの回転数が低いほど低く、回転数を上げても発電量に上限があります。
最近のハイブリッド車などには、1500Wのコンセントが標準で設定されているものもありますが、そのような車には大きなバッテリーと発電機(オルタネータ)を搭載しています。
これらの車ではコンセントが付いていなくても1500W程度までの発電能力があるので、対応したインバータを配線すれば1,500W程度までの電化製品を動かすことが可能です

一方、一般的なエンジン車のオルタネーターの発電量は、アイドリング状態で約30~40A(360~480W)、最大で70~80A程度だそうです。
発電量からエンジンの駆動に必要な電力などを差し引くとアイドリング時に200~300Wくらいは取り出せそうで、エンジン回転数を上げている場合(走行中など)でも700Wくらいが限界だそうです。
大きい出力のインバータを付けて発電量以上の電気を消費するとバッテリー上がりになるので注意が必要です。

したがってインバータの選定は、(1)出力の波形、(2)必要な最低の出力、(3)車の発電能力、および予算を考えて選定する必要があります。

インバータの選定に関して多少重複する部分もありますが、私が先に投稿した記事「停電対策】インバータを使って車からAC100Vを供給する方法」に詳しく述べていますので一度読んでみてください。
国産のインバータメーカーへのリンクなども貼っています。

どのメーカー製が良いか?

どこのメーカーのインバータが良いかという話になると、かなり安価な海外製品がありますが、性能・品質についてはあまり分かりません。
私は、そんな時はいつも信頼性の高い日本製を選ぶことにしています。

日本製は少し高価で、私の知っているものでは電菱、大橋産業、セルスター、大自工業などがあり、その中でも大橋産業の物は比較的安い感じです。
私が昨年買ったのは大橋産業(BAL)の1200Wですが、最近は品切れなのかネット通販では掲載されていないところがあります。
以下の表は、昨年私が正弦波の物を購入する時に調べた価格と能力(出力)を比較した一覧表です。
価格は結構変動するので実際の購入時には調査・確認してください。

実際の配線、注意事項など

100W程度の小さいインバータの場合は、シガーライターのプラグから電源を取っても問題ありません。
シガープラグからインバータに配線する場合は、国産車の場合は10A(または15A)のヒューズが車側に付いているので120W(または180W)までしか使えません。
それ以上の大きさのインバータの場合には、適切な太さの電源ケーブルでバッテリーから直に配線(マイナスは車体に接地)し、インバータの最大容量に適合したヒューズを設けた方が良い。
1,200Wくらいのインバータになると電流値が最大で100Aにもなるので、22sq以上の太い電源ケーブルと、100Aのヒューズを付けることになります。細いケーブルだと発熱して危険です。
あと、エンジンを停止した状態でインバータを使用するとバッテリー上がりの原因になるので注意が必要です。

私が実際に、車にインバータを配線して家電を動かしてみたという、下記の記事をご参考に。
車のバッテリーを100Vに変換して電化製品を使ってみた

※あまり電気の知識が無い人が適当にやると火災事故につながる可能性があるので、専門の業者かそれなりの知識のある人に相談してやった方が良いと思います。
以上に記載した内容に関して一切の責任は負いません。
もし、自分でやられる場合には十分な知識を持った上で、自己責任でお願いします。

最後までお読みいただき有難うございました。