【停電対策】車からAC100Vを供給する方法をご紹介、インバータ利用

2024年4月20日

こんにちは、車好きのたか爺です。

毎年、9月は「防災月間」で、台風のシーズンでもあります。
最近は地球温暖化のせいなのか異常気象が多く、大雨で住宅などが浸水したり土砂災害なども多く発生しています。
過去に災害が発生して長時間の停電が発生したことが、何度かありました。

今日は、災害が発生した場合の停電対策として、私が実施した停電時にインバーターを使って車からAC100V電源を供給する方法を備忘録として記事に残しました。


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災害時の備えは普段から

ある程度予測可能な災害もあれば、地震など突然発生するような災害もあるので、いつどんな災害に遭っても慌てないためには、普段からその準備をしておくことが重要ですよね。

災害が発生するとライフラインの一部が絶たれて電気・ガス・水道などの供給が止まったり物流が途絶えたりする可能性があります。
そのために水や食料をはじめとする災害対策用品の備蓄が必要で、大抵の企業や家庭ではいくらかの備蓄をされているかと思います。

そのライフラインの内、電気の供給が止まった場合を想定した備えとして、皆さんはどんな停電対策を考えていますか?

停電になると、情報源であるテレビ・ラジオ・パソコン、夜間の照明や暖冷房、また冷蔵庫や調理家電など、沢山の電気器具が使えなくなります。
短時間なら何とか凌げるかもしれませんが、何日もの停電となると携帯電話の充電も切れたりして生活に大きな支障が出て来ますよね。

【2022.3.18追記】インバーターの選定に関する詳しい記事を下記に投稿しました。
車を利用した4日以上の停電対策、インバータの選び方

私の停電対策

私は停電対策として、車のバッテリーから家庭用電源を取り出しこれで家電を稼働させる方法を考えました。
やり方は簡単で、車の12Vバッテリーにインバーター(直流12Vから交流100Vに変換する機器)を繋いでAC100Vを取り出すというものです。
車に付いているオルタネータ(発電機)によって取り出せる電気容量に限界があり、ハイブリット車などでは1,500W程度まで、普通のエンジン車なら100W程度しか取り出すことが出来ませんし取り出せる電気容量によって稼働できる家電の種類が決まってきます。

この記事では、車のバッテリーからAC100V電源を供給する方法と、それに必要なインバーターの選定などについて綴ります。


新車購入時にAC100Vのコンセントが付いている車は、そのコンセントの容量以内であればいつでも何処でも家庭用の電化製品を稼働させることが出来ますが、コンセントの付いていない車でも後付けでインバーターを接続すればAC100vの電気を取り出し非常電源とすることが可能です。
ここでは、インバーターの選定とそれをバッテリーや電化製品に接続する方法などを紹介しますが、
車のバッテリーにインバーターを接続して実際に電化製品を稼働して問題が無かったという記事も投稿していますのでそちらをお読みください。

【9/25追記】 実際に、車のバッテリーにインバーターを接続して実際に電化製品を稼働させた話は以下の記事をご参考に!
車のバッテリーから100Vを取り出し電化製品(エアコンなど)を動かしてみた

もし同じようなことを実施される場合は十分な知識を持った上で、自己責任で作業してくださいね。

被災地での非常電源として実際に活躍

つい最近の話ですが、台風の大雨や土砂崩れなどから大規模な停電が発生し、それが1週間ほど続いた例がありました。過去にはもっと大規模な停電がいくつも発生しています。トヨタや日産などは被災地に自動車を派遣して非常電源として活躍しました。

トヨタは2019年9月、台風15号の被災地支援でプリウスHV20台、プリウスPHV28台、MIRAI 23台、SORA(燃料電池バス)1台を派遣し、避難所や一般家庭での電力供給に使用されたそうです。
被災地での炊き出しをはじめ携帯電話の充電など様々な電力の供給を行ない被災者の支援を行いました。
同様の被災地支援を、日産自動車や他の企業もされています。

詳しいニュース記事はこちら➔ 
10日ぶりのドライヤーに歓声! 停電続く被災地に『電動車』が無償提供

「走る蓄電池」が被災地で活躍。自動車各社がEV貸与

普通のエンジン車の場合はエンジンでオルタネータ(※)を回して発電し、バッテリーに蓄電しながら電装品を動かす仕組みになっている。
そのオルタネータの発電量は最大で50A~70Aほどですがアイドリング回転数では20A(200w)程度しか発電能力がありません。

一方で、電気自動車はもちろんですが、ハイブリッド(HV)やPHVは大容量のバッテリーを積載しており、またHVやPHVではバッテリーの電気が無くなったらエンジンがかかって100A以上の大きい発電能力でバッテリーを充電する仕組みになっています。

これらの車には大容量のバッテリーや大きい発電能力があるので、この電気をインバーターでAC100Vに変換すれば1500W程度の電化製品を稼働させることが出来、被災地での非常電源にすることが出来た訳です。

※オルタネータ:交流の電気を生成する発電機で、自動車やオートバイなどに搭載されている。発電された交流電力は直流に変換されてからバッテリーに蓄えられる。

必要な電力量(W数)を考える

日常生活では料理をしたり、風呂を沸かしたり、照明、冷蔵庫(食品の保存)、冷暖房、、洗濯機、テレビなどいろんな用途で電気やガスなどのエネルギーを使っています。
オール電化の家庭ではガスを使用せず電気だけに頼っているので、電気に対する依存度が高いですね。
だから長期の停電になると大変困ります。
電気が止まった場合を想定して、何を準備すればよいのか考えてみました。

さて停電時の電力の供給方法ですが、最近の車には車中で電化製品が使えるように、AC100Vのコンセントが標準で付いている車種やオプションで設定されているものがあります。
普通のエンジン車では付いているオルタネーター(発電機)の関係で120W程度の給電しか出来ませんが、ハイブリッド車(HV)やPHVなどでは1500Wまで使えるものがあります。
新車購入時にコンセントを取付けてもらえば、非常時の電源として電化製品を稼働させることが出来ますが、後付けでもインバーターを取付ければ100vの電気を取り出すことは不可能ではありません。

まず、停電時に必要な最低限の電力がどのくらいなのか拾ってみて、インバーターの大きさ(能力)を決定する材料にした。

停電時でも出来れば使いたいものとしては、
夜間の照明器具   100w程度、
料理(調理器具)  1,200w程度、
冷蔵庫(食品の保存) 300w程度、
洗濯機(乾燥を除く) 200w程度、
テレビ(情報収集) 大画面なら200w程度、
ノートパソコン 100w程度、

真冬・真夏のエアコン(2.2kw) 冷房800w~暖房1,200w、
電気毛布(冬場の暖)70~80w、
灯油ファンヒーター(冬場の暖) 起動時600w程度
くらいがあった方が良いのかなと思います。
また、同時にいくつもの家電製品を稼働させれば大きな電力が必要になってしまう。

能力の大きいインバーターほど高額であるし、また、12V配線などに大電流が流れるのでリスクが大きくなることも考慮する必要がある。
今回私が考えている停電対策は車(HV)から電力を供給するので発電能力を考慮して1500w程度までに限定した。

ただし、何もかも電気に頼るのは無理があり避けた方が良いかと思います。
料理などに必要な熱エネルギーは、出来れば電気に頼るよりも安価なカセットコンロとカセットボンベなどを買い置きしておく方が効率が良いのではないかと思います。(ただし、カセットボンベの使用期限は製造から7年ですのでご注意を)

インバーターの後付け方法を確認

私は2019年3月にプリウス(HV)を購入したのですが、その時オプションで1500wの給電システム(4万円余り)を選択できたのですが、当時は野外でのレジャーなどで電気を必要とすることは考えていなかったので必要ないとして付けなかった。
しかしその後、「災害で長期停電が発生して困っている」というニュースを何度か見て、その必要性を強く感じるようになり、インバーターを後付け出来るのか検討しました。

トヨタのディーラーでは、1500w給電システムはメーカー仕様なのでの後付けは出来ないとしていますが、町の修理工場などでは取付けしてくれるところがあるそうですが。

その方法は簡単で、バッテリーにインバーターを繋げてAC100vに変換し、それを電化製品に繋げて稼働させる、というものです。
ネットで検索してみると、1000w~1500wくらいのインバーターを自分で取り付けている人が何人もいて、私はそれらの記事を参考にさせて戴きました。
参考までに、それらの記事のURLを以下に貼っておきます。

貯めた電気を使いましょう(プリウスαにインバータ取付け)
https://minkara.carview.co.jp/userid/2696442/car/2691753/5508894/note.aspx

車載インバーター(100Vのコンセント)取り付け(新型シエンタ)
https://ameblo.jp/yopike/entry-12251231864.html

i-MIEV M補器バッテリーから1KW電力取り出し
http://ev-owners.jp/blog/blog.cgi?id=7703

インバーターやバッテリー初心者の方へ【インバーターの知識】
https://www.shachu-haku.com/invertertoha.html

インバーターの選定ですが、大型のエアコン等の消費電力の大きい電化製品まで稼働させようとするならかなり大きなワット数のインバーターが必要になるが、非常時を想定した最低限のワット数と車の給電能力などを考慮して最大でも1500wくらいまでにするのが無難だと思います。(プリウスの場合)

インバーターの種類と選定

インバーターについて少し勉強しました。
今回使用するインバーターは、普通自動車のバッテリーから家電製品を稼働させる目的で付けるものなので、DC12vをAC100vに変換する「DC/ACインバーター」であり、これには出力波形の違いで3種類があります。

AC100vと言ってもその波形には「矩形波」「疑似正弦波」「正弦波」の3種類があり、その価格は「矩形波」のものは比較的安価ですが「正弦波」のものはかなり高価になります。※矩形波(くけいは、と読みます)
我々が家庭で使っている交流(AC)100vは、正弦波です。

  矩形波と正弦波

携帯のバッテリーを充電したり扇風機を回すくらいなら「矩形波」のインバーターでも問題無いそうですが、最近のマイコン搭載などの電化製品になると動作しない可能性があり、その点「正弦波」ならほとんどの家電を稼働させることが出来ます。
また、当然ですがワット数が大きいほど高価になります。

Amazonなどの通販で売られているものは中国製などの安価な海外製品が多く、日本製のものは種類が少なく海外製品に比べてかなり高価です。
一般の電化製品と違って、インバーターを作っている国産メーカーは少なく、私がネットで調査したところでは電菱、大橋産業、大自工業(メルテック)、セルスターの4社くらいしかないように思います。

以下に、私が調べた範囲の国産メーカーのホームページのURLを載せておきます。

株式会社電菱 http://www.denryo.com/index.html
大橋産業 http://bal-ohashi.com/
大自工業(メルテック)  https://www.daiji.co.jp/
セルスター工業 https://www.cellstar.co.jp/

通販サイトで購入者のレビューなどを読むと海外製のものにはいろいろ難が多いような感じであり、いざという時に使えないと困るのでやはり高価であっても信頼のおける日本製を選ぶのが無難かと思います。
日本製の1000~1500w程度の製品の価格を比較するために一覧表にしてみました。

 国産のメーカー名と型番、参考価格など(1000~1800w)

これらの製品の中で、私は大橋産業の正弦波1200Wを選びました。最低限必要なワット数と価格をにらめっこしてこれに決めました。
Amazonのレビューも良かったし、★4.3でした。日本製の中では一番安いと思います。
(もし定格出力1200Wのものが売り切れの場合には定格出力1500Wなどで余裕のある使い方をするのも良いかもですね。ただし、もし1500Wやそれ以上の容量の大きいものを使う場合には1次側の配線の太さにご注意ください。2次側の負荷が大きいと1次側の電流値が大きくなって配線がかなり発熱する可能性があります。)

メーカーの詳しいカタログと取扱説明書のURLを以下に貼っておきますのでご参考に。
PDFカタログ
取扱説明書

インバータの詳しい選定方法は下記の記事をお読みください。
車を利用した4日以上の停電対策、インバータの選び方

インバーターの接続方法

120w程度のインバーターへの給電なら車のシガーライターから電気を取るようになっていて、誰でも簡単に差し込むだけですが、1200w~1500wくらいのインバーターへの給電方法となると、大電流なのでバッテリーから直接電力を取るのがマストで、インバーターの取り付けには専門知識が必須になるので素人が個人で行うのは難しく、プロの人に相談した方が賢明でしょう。

接続方法は以下のように、インバーターを補機バッテリーに接続します。

駆動用バッテリー ⇨ 補機バッテリー ⇨ インバーター ⇨ 電化製品
           DC12V            AC100V

インバータを接続(+はバッテリー端子から、-は車体から)

※補機バッテリーとは普通の乗用車のバッテリーと同様でエンジンルームにあるもので、HV車には別に駆動用バッテリーがある。

補機バッテリーと電化製品を線でつなぐだけの作業ですが、補機バッテリーとインバーターを繋ぐ線は12Vなので電流値が大きく、1,200wの電化製品を稼働させと100Aぐらい流れる。(W数=電圧×電流値)
例えば、インバータに付属していたバッテリーに接続する電線は断面積22mm2(22sq)で長さ0.85mであるが、もし長くしたい場合は抵抗を少なくするためにもっと太い線にする必要があります。

インバーターを入手したら説明書をよく読んで結線作業を行いましょう。
結線作業はしっかりと行うことが重要であり、接続部分がゆるいとその部分で発熱したり、22sqの電線では1,200w以上の電化製品を使うと電線が発熱する可能性があるので出来れば1,000wくらいまでにした方が良いでしょう。

最後に

私は信頼できる日本製の中で、比較的安価な大橋産業(BAL)の DC/AC正弦波インバーター1200 (1200w)を購入、3万円弱でしたが価格はかなり変動しているようです。
そして実際に配線して動作テストを行い、扇風機、洗濯機(洗濯脱水)、テレビ(45インチ液晶)、エアコン(2.2kw)を問題無く動かすことを確認しました。

いずれにしても素人が適当にやると火傷や火災事故につながる可能性があるので、専門の業者或いはそれなりの知識のある人に相談して実行した方が良いと思います。
繰り返し述べますが、自分で実施される場合は分な知識を持った上で、自己責任でお願いします。

他に、発電機を準備しておくなどの方法もありますが、皆さんはどんな停電対策を考えていますか?

【9/25追記】 実際に車にインバータと電化製品を接続して稼働させた記事もお読みくださいね。
 車のバッテリーから100Vを取り出し電化製品を動かしてみた

長々と書きましたが、最後までお読みいただき有難うございました。

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