老齢厚生年金の受給額を自分で計算してみた

2023年11月20日

こんにちは
歳を取って働けなくなったら、頼りになるのは年金です。
皆さんは老後の年金がいくらもらえるのか、気になりますよね。

定年退職後に年金がいくらもらえるのか日本年金機構から年金定期便などで受給見込み額の通知書が送られてきますが、その通知された年金額の計算は間違っていないのか、誰でも気になりますよね。
私は表計算(Excel)を使って自分で計算してみました。
もし日本年金機構の計算が間違っていたら・・・と考えると、やはり自分で計算せずにはいられませんよね。

結論から言うと、計算方法にいろいろ疑問な点もありましたが、日本年金機構の計算結果と一致しました。

ただ、年金計算に使う平均標準報酬月額平均標準報酬額の求め方などがややこしかったのでその計算方法を備忘録としてここに記しておきます。

 

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年金事務所に相談

日本年金機構のサイトの老齢年金(昭和16年4月2日以後に生まれた方)の計算方法が書いてあったので、これに当てはめて実際に表計算ソフトExcelなどを使って計算してみました。
(計算方法は後述)
その計算結果が年金機構から送られてきた金額よりも、年額にして6万円程多く出たのですぐに近くの年金事務所へ行ってその旨を伝え、私の計算方法のどこに間違いがあるのか、Excelの計算表を印刷したものを見せ、調べてもらいました。
年金事務所の窓口で1時間ぐらい調べてもらったが計算方法などに間違いが見つからないが計算結果に違いがあり、窓口の担当者は結局「わからない」ということだったので、後日回答をもらうということになり、私の計算結果表を預けて帰りました。

翌日、年金事務所から電話があり、「標準報酬月額を求める計算方法には間違いはありませんが、計算に用いた再評価率は、あなた様の場合は従前の額を保証する経過措置により平成6年改正の再評価率が用いられます」との説明でしたが電話では分かりにくいので説明文を書面で送ってくれるようお願いした。

2日ほどしたら郵便で、分かりにくい説明文や表、計算式などを書いた文書が年金事務所から届きました。
説明文の内容には肝心の、「何故その再評価率表を使うのか」という記載がありませんでした。
(再評価率には、本来水準と従前額保証の2種類あるが)

日本年金機構のサイトの説明を何度読んでみても、こんな場合はこの再評価率表を使って計算するというような明確な記載はないが、計算結果から推測して何となくではあるが分かったような気がしたのでその計算方法を以下に記述した。

老齢厚生年金額の計算方法

今回は65歳以上の場合について説明します。(私が65歳以上だから)

日本年金機構の以下のサイトを開いて、(65歳以上)のところに記載されているので必要な方は以下のURLを確認してください。
https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/roureinenkin/jukyu-yoken/20150401-03.html

老齢年金=報酬比例年金額(ア) + 経過的加算(イ) + 加給年金額(ウ)

まず、上記の(ア)報酬比例年金額を求めるには「平均標準報酬月額」(平成15年3月まで)及び「平均標準報酬額」(平成15年4月以降)を求める必要があります。

(平成15年度以後は賞与も計算に入れるようになっているので、平成14年度までと平成15年度以後に分けて計算する必要があります)

これらを求めるには、今までに日本年金機構から送られてきた毎月の標準報酬月額や標準賞与額を用いてExcelなどの表計算を使ったら比較的簡単に求めることが出来ます。

平均標準報酬月額及び平均標準報酬額の説明は以下の通りです。(日本年金機構のサイトより)
平均標準報酬月額とは、平成15年3月までの被保険者期間の各月の標準報酬月額の総額を、平成15年3月までの被保険者期間の月数で除して得た額です。
平均標準報酬額とは、平成15年4月以後の被保険者期間の各月の標準報酬月額と標準賞与額の総額を、平成15年4月以後の被保険者期間の月数で除して得た額です。
これらの計算にあたり、過去の標準報酬月額と標準賞与額には、最近の賃金水準や物価水準で再評価するために「再評価率」を乗じます。
※再評価率・生年月日に応じた率(報酬比例部分の乗率)についてはこちら
この再評価率が今回の問題点であり、上記サイトの「年金額の計算に用いる数値」の表中に【従前額保障の年金額の計算に用いる再評価率】と【厚生年金保険の再評価率、平成30年度】があるのでこれを使って、以下のように計算しました。

(平成14年度までと、平成15年度以降に分けて、それぞれ従前額保証の再評価率及び本来水準の再評価率で計算します。・・・・①から④までの4つの計算表を作ります)

① 厚生年金に加入し始めてから現在まで(例えば昭和60年度から平成14年度まで)の、日本年金機構から送ってきた「標準報酬月額」をExcelの表に入力し、この計算表に該当期間の「従前額保証の再評価率」を入力してその積の総額を求め、この総額をこの期間の総月数で割ると平成14年度までの平均標準報酬月額(従前額保証)が出ます。                       

② 次に、平成15年度から平成30年度までの、日本年金機構から送られてきた「標準報酬月額」と「標準賞与額」をExcelの表に入力し、この計算表に該当期間の「従前額保証の再評価率」を入力してその積の総額を求め、この総額をこの期間の総月数で割ると平成15年度以後の平均標準報酬額(従前額保証)が出ます。

③ 次は本来水準の再評価率を使って①と同じ、厚生年金に加入し始めてから現在まで(例えば昭和60年度から平成14年度まで)の、日本年金機構から送ってきた「標準報酬月額」をExcelの表に入力し、この計算表に該当期間の「本来水準の再評価率」を入力してその積の総額を求め、この総額をこの期間の総月数で割ると平成14年度までの平均標準報酬月額(本来水準)が出ます。
① で作った表をコピーして再評価率の数値を換えれば簡単にできますね。

④ 次も本来水準の再評価率を使って、今度は平成15年度から平成30年度までの、日本年金機構から送ってきた「標準報酬月額」と「標準賞与額」をExcelの表に入力し、この計算表に該当期間の「本来水準の再評価率」を入力してその積の総額を求め、この総額をこの期間の総月数で割ると平成15年度以後の平均標準報酬額(本来水準)が出ます。
これも同様に②で作った表をコピーして再評価率の数値を書き換えればできます。

以上で求めた次の4つの値を使って報酬比例年金額(ア)を計算します。
① 平成14年度までの平均標準報酬月額(従前額保証)

② 平成15年度以後の平均標準報酬額(従前額保証)
③ 平成14年度までの平均標準報酬月額(本来水準)
④ 平成15年度以後の平均標準報酬額(本来水準)

(ア) 報酬比例年金額
報酬比例部分の年金額は、1の式によって算出した額となります。
なお、1の式によって算出した額が2の式によって算出した額を下回る場合には、2の式によって算出した額が報酬比例部分の年金額になります。
 1、報酬比例部分の年金額(本来水準)・・・・先に求めた③と④の額を使います


 2、報酬比例部分の年金額(従前額保障)
 (従前額保障とは、平成6年の水準で標準報酬を再評価し、年金額を計算したものです
   この計算では先に求めた①と②の額を使います。

 1、又は2、で求めた報酬比例年金額の多い方が採用されます。

 

あと、経過的加算(イ)と加給年金額(ウ)は日本年金機構のサイトに書かれている説明を読めば分かると思います。
日本年金機構のサイトのURLを記載しておきますので必要な方はクリックして確認してください。

https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/roureinenkin/jukyu-yoken/20150401-03.html

以上が老齢厚生年金の受給額計算方法ですが、Excelが使える方は一度自分で計算してみては如何でしょうか。
ただし、私が調べて計算したのは2018年なので、その後に計算方法が変わっていないか確認する必要があります。

最後までお読みいただき有難うございました。

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