前立腺癌の全摘除術(ロボット手術)を受けました。闘病日記

2023年12月11日

こんにちは、石川県の片田舎に住んでいるたか爺です。

つい先日、私は前立腺癌見つかり、前立腺全摘除術を受けました。(2017.5.26)

元々、私は癌とはまるで縁のない人間だと思っていましたが、気がついたらいつの間にか癌患者になっていました。

今日は、同じ前立腺癌になった人に少しでも参考になればと思い、私がこの手術で経験したことなどを記事にしました。

前立腺がんのすべて(アストラゼネカ株式会社)のパンフレットより引用

因みに、前立腺がんというものは50歳以上の男性が発症する癌で、発生の平均年齢は70歳と言われています。
前立腺がんの
罹患率は高く、胃がん、肺がん、大腸に次いで第4位です。
しかし
死亡率は比較的低いがんで、肺がんでは人口10万人あたり86人、胃がんでは51人、大腸がんでは42人、前立腺がんは18.9人です。
この数字を見ると死亡率0.019%ほどの低い癌だと分かるでしょう。

また、進行も比較的遅い癌であると聞いていたので私はそれ程慌てもしませんでした。

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私の前立腺癌が見つかった経緯

最近(半年か1年前かはよく分からないが)おしっこが近くなり、またおしっこを我慢できる時間が異常に短くなったと感じていました。

また夜中におしっこに起きる回数が2~3回/日もあり、何か異常ではないかと思い、近くの病院の泌尿器科で診察を受けた。

「過活動膀胱」と診断され、処方された薬を飲み始めた。

この時、血液検査を受け、PSA値が異常に高かった。(13.4 でした。 4以上が異常値です)

3か月後に再度PSA値を調べてもらうとやはり高く(10.3)、前立腺癌の疑いがあると言われて生検をしてもらった。

生検の結果、前立腺のあちこちの組織12ヶ所を採取したうちの右葉3か所に癌細胞が見つかった。(グリーソンスコア6の判定)

自分には癌などは縁のないものと思っていたが、とうとう癌になってしまった!!

過活動膀胱は前立腺癌の症状とは直接関係なく、私の場合、過活動膀胱になったために検査を受け、たまたま血液検査で癌が発見されたという「運が良かった」のかもしれない。

もし気付かずに放置していたら、癌が進行して手遅れになったり、転移したりすると大変なことになっていたのかもしれない、と考えれば本当に「運が良かった」のかもしれないと前向きに考えることにした。

前立腺癌の治療方法の選択

前立腺に癌細胞が見つかった状態によってはいくつかの治療方法があり、その方法の中から自分で選択することが出来るという説明を受けました。

❶手術療法(開腹、腹腔鏡、ロボット支援腹腔鏡)、❷放射線療法、❸ホルモン療法など。

私の癌はT2という中程度の悪性だったので、どれを選択しても良いとされたが一番確実に癌の根治を目指すことの出来る手術療法を選び、全摘術の中でもロボット(ダヴィンチ)を使った腹腔鏡術が一番体の負担が少ないとのことなのでこれを希望した。

私の住んでいる石川県内でダヴィンチがあるのは3つの病院しかなくその1つの病院を紹介して貰った。

手術前後の状況

手術の前日に入院して下剤を飲み、夜以降絶食して翌日の手術に臨んだ。

手術は全身麻酔なので手術中のことは全く覚えていない。

手術が終わって麻酔が覚めて気が付いたのは翌日の早朝5時ごろで、集中治療室のベッドで寝ていた。

体中が痒くてたまらなかった。

個人差が有るようですが、3日間ほど痛み止めの点滴を入れている間、全身の皮膚が痒くてたまらず、爪でボリボリと全身を掻きむしっていた。

手術時に全身麻酔をかけたので食事はおもゆから始まり、3日間くらいで徐々に普通食に変わっていった。

ただ、私には病院食の匂いが合わず、食欲が無くなってしまったので主治医の許可を得て、コンビニで食べたいと思ったものを買ってきて食べていました。

入院中に感じたことであるが、その病院の泌尿器科のドクターは男性だったので何の躊躇いも無かったが、泌尿器科の手術を受けた男性が入院中に若い女性看護師さん達にお世話をしていただくのはかなり辛いものがありました。

他に辛かったことと言えば、手術後1週間くらいは咳やくしゃみでも跳び上がるほど腹部(切開した部分)が痛かったことである。

私は痰が絡みやすいので時々咳をしただけでも痛かったが、風邪などひいたらそれこそ大変であろうと思われる。風邪は絶対にひかないようにと常に暖かくしていました。

退院直前にトマトジュース(血尿)が・・・

当初、入院は10日程度ということでしたが、退院直前に大変なことになった。

それまで順調に回復してきて明日退院というところでトマトジュースのような血尿が出て、そのあとは膀胱内や尿道で血が固まって尿が全く出なくなってしまった。

原因はよく分からないが、たぶん膀胱と尿道の繋ぎ目から出血して、これが固まって膀胱や尿管に詰まり、強い尿意があるのに尿が出ない状態になってしまったらしい。

冷や汗をかきながら先生に尿道から管を入れて膀胱内の血の塊などを吸い出してもらい、更に膀胱内を洗浄してもらった。

その後尿道に管を入れたまま止血剤や抗生物質などを点滴してもらった。

翌日夕方になって、尿道に管を入れているのにも拘わらず、強い尿意を感じたのでナースに説明したらドクターが直ぐに来てくれた。

膀胱内にあった小さい血の塊がカテーテルに詰まったようであった。

カテーテルのつまりを吸い取った後、膀胱内の血栓を吸引してまた数回洗浄して貰った。

その翌日の朝、尿管内に赤っぽい物を微かに確認したがそのすぐ直後に赤みは消えたのでホッとした。

さらに翌日、やっと退院することが出来た。

退院1か月後の状況

退院後1か月ほどは重いものを持つなど、お腹に無理がかからないようにと指示をされたのでこれを守った。

前立腺癌の摘出術は順調に回復したと思うが、夜間頻尿やおしっこの我慢できる時間の短い、所謂過活動膀胱はあまり変わっていないように感じています。

我慢できる時間が非常に短い(1~2分ほど)ためにトイレに着くまでに少し漏らしてしまうことが稀にあるが、手術前にネットを調べた時に「術後は尿漏れが大変である」「尿漏れが1か月くらいで治る人もいれば1年くらいかかる人もいる」という記事をたくさん目にしたが、私の場合はこれに当たらないように思われる。

洗面所や台所の流し台の前に立ったら急に尿意を催したり、尿意があっても少ししか出ないこともあり、何がどうなっているのかよく分かりません。

今後は通院しながら夜間頻尿や我慢できる時間を長くできるよう、薬などで治療して頂くことになろうかと思います。

【6年経過後】2023.12.10追記

手術後丸6年半になるが、今でも3か月ごとにPSA検査の経過観察と、過活動膀胱などの治療のために病院に行っています。 

先生の話では、前立腺を全部摘出しているので普通ならPSA値は0.00となるようですが、私の場合0.02~0.03付近を上がったり下がったりしています。ただこのくらいの数値なので心配ないでしょう、とのことで今後も継続して3か月ごとに見ていく必要があるようです。

私は5年ほど前に退職して今ではほとんど自宅にいるので尿意を催したら早めにトイレに行くので尿漏れはありません。
夜間頻尿と切迫性尿意については、薬の種類を変えながら処方してもらい飲んでいますが、少し改善しているように感じる時もあります。

夜間頻尿」については自分でも何とか治したいという気持ちがあり、冷え性なので足湯をしたり足のむくみをとるためのいろんな方法をネットで調査して試してはその結果を記録し、その結果を踏まえてまたいろいろ試行錯誤しています。
もし効果のある方法が見つかったらこのブログで紹介したいと思っています。

余談になりますが、前立腺全摘術後5年後に「遠位胆管癌」が見つかり、これも摘出手術を受けています。
こちらはリンパ節まで浸潤していたので再発の可能性が高く、半年間の抗癌剤治療も行いました。
胆管がんの手術を受けて1年になりますが、今のところは再発も見つかっておらず、今後も3か月ごとに検査を受けていくつもりです。

最後までお読みいただき有難うございました。

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